歩くのが少し難しくなったシニアの方の外出を助けてくれる電動の乗り物「シニアカー」。毎年のように新しいモデルが登場し、機能も使い勝手も進化を続けています。
シニアカーが便利になったのは喜ばしいことですが、種類が増えたぶん「どれが自分に合っているのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、シニアカーの選び方の8つのポイントと、主要メーカーの最新モデルを紹介します。
この記事でわかること

シニアカーは、電動車いす、歩道のスクーター、電動カート、セニアカーなどと呼ばれることもあります。
この記事では、シニアなどの歩行が少し難しくなってきた人用につくられた、免許もヘルメットも要らない、歩道を走ることができる電動の1人用の乗り物のことをすべてシニアカーと呼びます。
シニアカーを選ぶときは、次の8つのポイントをチェックしてみてください。

シニアカーの購入を検討するときに最初に分かれる選択肢は、3輪タイプにするか、4輪タイプにするかです。
3輪のシニアカーは、タイヤが前に1個、後ろに2個ついています。前のタイヤが1個なのでハンドルを動かしたときに「軽い」と感じるでしょう。ハンドルの軽さは、小回りのしやすさにつながります。
4輪のシニアカーは、タイヤが前に2個、後ろに2個ついています。タイヤの配置が自動車と同じなので、走行が安定します。デコボコ道でも「怖くない」と感じるでしょう。
デメリットはメリットの逆になり、3輪はデコボコ道が苦手で、4輪は小回りが苦手です。

※上記画像は分かりやすいように表現しています。
以上をまとめると、次のようになります。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 3輪 | ハンドルが軽く、小回りしやすい | 安定性は4輪より低く、デコボコ道が苦手 |
| 4輪 | 走行が安定していて、デコボコ道でも安心 | ハンドルが3輪より重く、小回りが苦手 |
シニアの方はぜひ、3輪と4輪の両方に試乗してみてください。また、シニアカーでよく行く場所までの道路の状況(道幅やデコボコの多さ)を考えて選ぶこともおすすめします。
最近のシニアカーは安全機能が充実しています。
シニアカーの最高速度は時速6km以下に設定されています。これは大人が歩く速さと同じくらいなので、危険度はそれほど高くありません。それでも車体の重さが100kg近い製品もあるため、万が一の事故を起こすと大変な事態になりかねません。
そのため、安全機能が豊富な製品を選ぶほうが安心です。最近のシニアカーには、次のような安全機能があります。
シニアカーの主な安全機能
これらの安全機能は、製品によって付いていたり付いていなかったりします。カタログや販売店でしっかり確認するようにしましょう。

シニアカーには大きさ(サイズ)が異なるタイプがあります。体の大きなシニアが、サイズの小さいシニアカーに乗ると、運転しづらいと感じるでしょう。
シニアカーを選ぶときは、次のサイズを確認してみてください。
試乗してみて「しっくりくる」と感じるものを選んでください。
扱いやすさでポイントになるのは、乗り降りのしやすさ、後方確認のしやすさ、バックミラーの見やすさ、ハンドルの形、ボタンやレバーの操作のしやすさです。
扱いやすさは、シニアカーのサイズだけでなく、ご自身の体の動かし方によっても変わってきます。実際に乗り降りや操作を試して、無理なく扱えるかを確かめましょう。

シニアカー選びでは、試乗して「しっくりくる」と感じることが一番大切ですが、毎日使う方は便利さも確認しておきましょう。チェックしたいのは、カゴの大きさ、荷掛けフックの有無、車体の大きさと保管場所の相性、ひじかけが可動式かどうか、そして充電のしやすさです。
シニアカーを買い物で使うことが多い人には、カゴの大きさや形状、荷掛けフックの有無が便利さに大きく影響します。逆に、散歩で使うことが多くほとんど買い物をしない場合は、大きなカゴがかえって邪魔に感じるかもしれません。
そして盲点になりがちなのが、シニアカーの車体の大きさと自宅の保管場所の広さの関係です。「大きくて乗りやすいシニアカーだな」と感じても、保管場所が狭いと出し入れに苦労して、シニアカーを使うこと自体が面倒になってしまうかもしれません。

また、ひじかけがあるタイプは、可動式だと乗り降りが楽になります。
シニアカーは電動なので充電が必要です。1回の充電で何km走れるかも、シニアカー選びの重要なポイントです。充電方法には、充電コード式とバッテリー着脱式があります。
充電コード式は、掃除機と同じように本体から充電コードを引き出して、電源プラグをコンセントに差し込みます。保管場所の近くにコンセントが必要になります。
バッテリー着脱式は、バッテリーを本体から取り外して持ち運べます。シニアカー本体は屋外に置いたまま、バッテリーだけを居間に持ち込んで充電する、という使い方ができます。
シニアカーのタイヤには、空気を詰めているエア・タイヤと、ウレタンなどを詰めているノーパンク・タイヤがあります(普通の自転車や自動車に使われているのがエア・タイヤです)。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| エア・タイヤ | 乗り心地がよい | パンクする可能性がある |
| ノーパンク・タイヤ | パンクしない | 乗り心地がエア・タイヤより劣る |
エア・タイヤは、釘などが刺さるとパンクしてしまい、修理するまで走行できなくなることがあります。そのかわり、自転車や自動車に使われているだけあって乗り心地は快適です。
ノーパンク・タイヤは、乗り心地ではエア・タイヤに一歩譲りますが、パンクの心配をしなくてよいので気持ちは楽になるでしょう。

安心して使えるシニアカーの価格は、おおよそ30万円から50万円くらいと考えておいてよいでしょう。
種類によって価格差が大きく、使いやすくて便利なシニアカーほど高性能で、価格も高くなる傾向があります。
そしてシニアカーは、購入する人の状態や住んでいる自治体によって、介護保険を使ってレンタルできたり、購入に補助金を活用できたりします。負担するお金を減らせる制度は上手に使いたいものです。制度の詳しい内容はシニアカー購入に使える補助金を解説した記事でまとめています。
さらに、実際に負担する金額は「新車・中古・レンタル」のどれを選ぶかによっても違ってきます。
ご注意ください
大手ショッピングサイトで格安販売されている海外製の無名車両は、トラブルが多いうえ、サポート体制がないに等しいためおすすめできません。シニアカーは正規販売店からの購入が安心です。

複数台のシニアカーを並べてみると、形やデザインがかなり違うことがわかります。毎日利用するものだからこそ、愛着の持てるデザインを選ぶとよいでしょう。
それでも優先すべきは、安全性・サイズ・扱いやすさです。シニアカーは歩行をサポートする道具ですから、使うときにストレスがない車両であることが、見た目よりも大事です。
シニアカーは複数の会社が製造・販売していますが、ここでは以下の5社の最新モデルを1台ずつ紹介します。
シニアカーを製造している主な会社(アイウエオ順)
1台ずつ特徴を紹介する前に、それぞれのモデル名と主な項目の一覧表をご覧ください。
| モデル | 価格(非課税) | 大きさ(長さ×幅×高さ) | 1回の充電で走る距離 | タイヤ |
|---|---|---|---|---|
| アテックス「電動車いす、マイピアBT43B」 | 非公開 | 1,195mm×650mm×1,100mm | 30km | ノーパンク・タイヤ |
| ウィル「歩道スクーター、Model R」 | 377,000円~ (カラーにより異なる) |
1,160mm×535~635mm×868~925mm | 17.2km | ノーパンク・タイヤ |
| スズキ「セニアカー、ET4D」 | 418,000円 | 1,195mm×650mm×1,145mm | 31km | ノーパンク・タイヤ |
| トヨタ「C+walk S」 | 498,000円 (セーフティサポートは505,000円) |
1,185mm×650mm×1,030mm | 約12km | ノーパンク・タイヤ |
| フクシン「スーパーポルカー、SPX-1」 | エア・タイヤ437,000円 ノーパンク・タイヤ447,000円 (運転支援機能付は555,000円/565,000円) |
1,190mm×670mm×1,120mm | 28km (運転支援機能付は25km) |
エア・タイヤかノーパンク・タイヤを選べる |
※表は横にスクロールできます
価格・仕様は2026年7月時点の各社公式サイトの情報です。変更される場合がありますので、最新の情報は各社の公式サイトや販売店でご確認ください。なお、ここで紹介する写真は各社の公式サイトから引用しています。

アテックスのマイピアBT43Bは4輪タイプで、大きさは長さ1,195mm、幅650mm、高さ1,100mmです。新品バッテリーであれば、1回の充電で30km走ります。ノーパンク・タイヤを採用しています。
前部に大きなカゴが付いていて、さらにオプションで後部にもバッグを取り付けることができます。杖立てや松葉杖ラックを取り付けることもできて、体が不自由な方へのケアが行き届いている印象があります。
※メーカー希望小売価格は公開されていません。価格は販売店にお問い合わせください。

ウィルのModel R(モデルR)は4輪タイプで、大きさは長さ1,160mm、幅535~635mm、高さ868~925mmです。新品バッテリーであれば、1回の充電で17.2km走ります。ノーパンク・タイヤを採用しています。
バッテリーは重さ約2.7kgと軽量の着脱式で、取り外して室内で充電できます。
Model Rは前輪がほぼ90度曲がるので、後輪を軸としてその場で回転することができます。この小回りの良さは、狭い場所で威力を発揮するでしょう。
先進的なデザインで、工具なしで本体を3つに分解できるため、自動車で運ぶときにも便利です。ただし荷物入れが椅子の下にしかなく、たくさん買い物をするときは不便に感じるかもしれません。
価格は377,000円(非課税)~で、カラーによって異なります。

スズキのET4Dは4輪タイプで、大きさは長さ1,195mm、幅650mm、高さ1,145mmです。新品バッテリーであれば、1回の充電で31km走ります。ノーパンク・タイヤを採用し、充電はコード式です。
前部に20リットル入るかごが付いています。ひじかけは可倒式なので、乗り降りの邪魔になりません。
オプションでステッキホルダーや松葉杖ホルダーに加えて、酸素ボンベホルダーを付けることもできます。
シニアカーの定番人気であり、福祉車両としての性格もあります。
価格は418,000円(非課税)です。

トヨタのC+walk S(シーウォークエス)は3輪タイプで、大きさは長さ1,185mm、幅650mm、高さ1,030mmです。新品バッテリーであれば、1回の充電で約12km走ります。ノーパンク・タイヤを採用し、バッテリーは着脱式です。
スタイリッシュで未来的な見た目ですが、椅子の下に、スーパーマーケットの買い物かご(33リットル程度)がすっぽり入ります。
乗車ステップ(走行中に足を置くところ)の高さが130mmと非常に低く設定されているので、乗り降りがしやすいのも特長です。
人や障害物を検知すると自動で減速する機能などを備えた「セーフティサポート」グレードも用意されています。
価格は498,000円(非課税)、セーフティサポートは505,000円(非課税)です。

フクシンのSPX-1は4輪タイプで、大きさは長さ1,190mm、幅670mm、高さ1,120mmです。新品バッテリーであれば、1回の充電で28km(運転支援機能付は25km)走ります。
タイヤの直径は320mmと大型で、フクシンは「段差のある出入口やデコボコ道路でもスムーズな移動を実現します」とアピールしています。タイヤはエア・タイヤとノーパンク・タイヤのいずれかを選ぶことができ、充電はコード式です。
前部のかごの容量は20リットルあるので、買い物には十分でしょう。
ステレオカメラとAIで人や物・側溝などを検知し、音と光で知らせながら自動で減速・停止する運転支援機能付きの仕様も選べます。
価格はエア・タイヤが437,000円、ノーパンク・タイヤが447,000円(いずれも非課税)。運転支援機能付は、それぞれ555,000円、565,000円です。
シニアカーの選び方と、最新モデルをご紹介しました。
シニアカーは、一度使うと「もう手放せない」と感じる方がいるほど便利な乗り物です。体が少し不自由になって外出の頻度が減ったシニアが、シニアカーによって再び活発に活動できるようになることもあります。

そしてシニアカーの製造会社は、シニアのニーズに応えようと改良を重ねています。今は、シニアが自分の生活スタイルに合わせてシニアカーを選べる時代になりました。
ぜひ複数台に試乗して、最適な1台を見つけてください。ご家族と一緒に見に行くと、サイズや乗り降りのしやすさを客観的に確認できるのでおすすめです。
シニアカーは法律上「歩行者」の扱いになるので、車道は走行できません。あくまで、足腰の衰えから歩くのが難しくなった方のサポート車両です。
このことから「シニアカー=お年寄りの乗り物」という意識が根強く、若々しく過ごしたい方にとっては、乗りたいと思えるものではないかもしれません。

少しずつスタイリッシュなデザインのシニアカーも出てきていますが、そもそも時速6km以下しかスピードが出ないため、自分の足で歩ける人の移動手段にはなりにくいでしょう。
そんな中で近年、「特定小型原動機付自転車」(以下、特定小型)がミドル・シニア世代に注目されています。

特定小型は、16歳以上であれば運転免許がなくても運転できる電動車両です。最高速度20km/hで車道を走行できるため、免許返納後の移動手段として購入するご家庭が増えています(ヘルメットの着用は努力義務です)。

整理すると、歩くのが難しくなってきた方にはシニアカー、自分の足で歩けるけれど買い物や通院の行動範囲を広げたい方には特定小型、という使い分けになります。
そんな特定小型の中でも、弊社ELEMOs(エレモーズ)が販売している4輪タイプの車両は、二輪のキックボード型と違って転倒しにくく、座ったまま運転できるため、ミドル・シニア世代から好評をいただいています。
たとえば、上質なデザインと大容量バッテリーが特長の最上級モデルELEGRAN(エレグラン)や、後部の積載フレームで買い物の荷物をたっぷり運べるエレキャリーなど、生活に合わせて選べるラインナップを揃えています。
シニアカーと特定小型のどちらが合うか迷ったら、ELEMOs公式LINEでお気軽にご相談ください。ご本人はもちろん、離れて暮らすご家族からのご相談も歓迎です。
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