EV(電気自動車)は豪華で高額と思っていませんか。実は原付免許で運転できるEVもあります。また、普通自動車免許は必要ですが、とても小さな四輪の原付EVもあります。 環境問題やエネルギーの節約、物価高などを考慮すると、原付EVには大きな可能性があるといえそうです。 この記事では、原付EVの特徴とおすすめモデルを解説します。
原付EVの定義は少し複雑です。 EVは、ガソリンもエンジンも使わず、電池とモーターで走る乗り物のことです。そして原付とは原動機付のことで、これが理解を難しくしています。 そこでまずは原付EVの種類を紹介します。
原動機の元々の意味は自然エネルギーを機械的エネルギーに換える機械なので、スクーターのエンジンも飛行機のジェットエンジンもEVのモーターも原動機に分類されます。 ところが世間で「原付」といった場合は、小さなエンジン、または小さなモーターが載った乗り物を指します。さらに原付には次の2種類があります。
原付の種類
EVはモーターで走るので、原付EVは0.6kW以下のもの(一種)と1.0kW以下のもの(二種)にわかれることがわかります。
なお「新基準原付」はエンジン車の区分を見直したもので、2024年11月に車両区分が、2025年4月に免許区分が改正されました。これにより125cc以下でも最高出力を4.0kW以下に制御した車両であれば原付免許で運転できます。電動(EV)の区分は従来どおり、定格0.6kW以下が一種、0.6kW超1.0kW以下が二種のまま変わっていません。また50cc以下のエンジン原付は、排出ガス規制の強化により2025年10月末で生産が終了しました(すでに販売された車両は引き続き使用できます)。
免許制度も原付の理解を複雑にしています。 原動機付自転車免許(以下、原付免許)は運転免許試験場に行って、適性試験と学科試験に合格して、原付講習を受けるだけで交付されるので、とても簡単に取得できます。教習所に通う必要もありませんし、実技試験や技能試験もありません。 ただし、原付ならすべて原付免許で乗れるわけではないことに注意が必要です。 原付免許で運転できるのは原則、原付一種の二輪です。したがって原付EVでも、原付免許だけで運転できるのは原則、0.6kW以下(原付一種)の二輪です。 そのほかの、原付二種の原付EVや、原付一種の三輪原付EVや四輪原付EVは、普通自動車免許などが必要です。以上の内容をまとめるとこのようになります。
原付EVの運転に必要な免許
ただし0.6kW以下(原付一種)の三輪でも、屋根だけがついていて、側面にドアなどがない屋根付三輪は原付免許で運転できます。
原付EVのうちスクーター(二輪)の見た目は、エンジンのスクーターと同じなので、違和感を持つことはないでしょう。しかし四輪の原付EVである原付ミニカーの外観は、小さな自動車なので、初めてみる人は「これも原付なのか」と戸惑うかもしれません。 原付ミニカーの定義は以下のとおりです。
原付ミニカーの定義
ドアがあり、雨風をしのげる閉鎖空間があり、円形ハンドルがあり、普通免許が必要であることから、原付ミニカーは限りなく自動車に近い乗り物ですが、運転者しか乗ることができず、ボディも原動機も小さいことが原付ミニカーならではの特徴になっています。
原付EVには具体的にどのような乗り物があるのか紹介していきます。 ここでは次の3台をみていきましょう。
価格はすべて税込です。

(上の写真は、スクーターらしいEVスクーターといえる「EM1 e:」。下の写真は業務用の「ベンリーe:」と「ジャイロe:」。公式サイトから。以下同))
ホンダは、日本の自動車メーカーのなかではEVに力を入れている会社といえます。それで二輪の電動化にも熱心なのでしょう。 「e:」シリーズはスクータータイプの原付EVで、次の9種類が発売されています。
「ICON e:」 | 二輪 | ベーシック | 原付一種 | 220,000円 |
「EM1 e:」 | 320,100円 | |||
「CUV e:」 | 原付二種 | 528,000円 | ||
|
「ベンリィe: I」 |
業務向け |
原付一種 |
690,800円 |
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「ベンリィe: Iプロ」 |
701,800円 |
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|
「ベンリィe: II」 |
原付二種 |
690,800円 |
||
|
「ベンリィe: IIプロ」 |
701,800円 |
|||
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「ジャイロe:」 |
三輪 |
原付一種 |
877,800円 |
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「ジャイロ・キャノピーe:」 |
1,042,800円 |
※価格は2026年8月時点のメーカー希望小売価格(税込)です。販売価格は販売店が独自に設定します。
ベーシックモデルは「ICON e:」「EM1 e:」「CUV e:」の3機種で、外観は普通のスクーターです。シリーズ最安は2026年3月に発売された「ICON e:」で、22万円。定格出力0.58kWの原付一種で、一充電の走行距離は81km(30km/h定地走行テスト値)です。「CUV e:」は定格出力0.98kWの原付二種で、52万8,000円。着脱式バッテリーを2個搭載し、運転にはAT小型限定普通二輪免許以上が必要です。 業務用には大きく2種類あってベンリーが二輪でジャイロが三輪です。ベンリーには原付一種のほかに原付二種があります。ベンリーのプロは大きなカゴやキャリアがつき、積載量が増えます。 ジャイロのキャノピーは屋根がつく豪華版のため100万円を超えてきます。 「EM1 e:」の充電時間は6時間で、航続距離は53kmです。 「ICON e:」「EM1 e:」「ベンリィe: I」「ベンリィe: Iプロ」「ジャイロe:」「ジャイロ・キャノピーe:」は原付免許で運転できます。「CUV e:」「ベンリィe: II」「ベンリィe: IIプロ」は原付二種のため、AT小型限定普通二輪免許以上が必要です。
(スマートEVの走行時の状態と折り畳んだ状態)
株式会社ブレイズは名古屋市に本社があり、設立は2002年です。自らを「EV開発カンパニー」と名乗っているので、開発を自社で行い、製造は他社に委託しています。 ブレイズのスマートEVは原付一種の二輪タイプで、239,580円と比較的安価といえます。それもそのはずで、スマートEVにはカゴがなく、ボディはほぼ線だけで構成されています。 スマートEVの魅力は、とにかく小さいことです。折り畳み式で軽自動車に積むこともできますし、重量はわずか20kg。一般的な原付バイクが70~90kgなので、スマートEVがいかに軽いかわかります。 そしてデザイン性の高さもスマートEVを買う理由になるでしょう。 充電時間は3時間半で、航続距離は30km。ちょっとそこまで行くときにあると便利な原付EVといえるのではないでしょうか。 原付免許で乗ることができます。
(見た目はミニバンだが、実物は驚くほどコンパクトなmibot)
2022年設立のKGモーターズ株式会社(本社・広島県東広島市)の原付ミニカー「mibot」は、見た目はミニバンです。しかし大きさは全長2,485mm、全幅1,140mm、全高1,470mmしかなく、とてもコンパクトで、1人しか乗れません。 mibotのコンセプトは、持続可能な移動、です。その実現に向けて維持コストと環境負荷の両方を下げる工夫をしたところ、四輪の原付EVという解を得たわけです。 それでも利便性は確保しています。最大積載量は45kgで、後部には広めの荷置きスペースが確保されています。エアコンも付いていて快適性も十分です。 充電はJ1772規格の普通充電に対応し、満充電までの目安は家庭用100Vで約11.5時間、200Vで約3時間。一充電の走行距離は100km(30km/h定地走行テスト値)です。価格は車両本体110万円(税込・自賠責保険や登録手数料は別)です。運転には普通自動車免許が必要となります。
原付はEV化されて格段に進化した印象があります。かつては原付といえばスクーターというイメージがありましたが、EV原付というジャンルが生まれて新しいミニカーが登場して種類が増えました。 巨大なパワーが必要な乗り物は、まだまだガソリンなどのエンジンが必要ですが、小型の乗り物は電気で動くモーターのほうが有利な点が増えてきました。「小型+電気」のメリットを最大限活かしたのが原付EVといえるのではないでしょうか。これからも種類が増えていくことを期待したいです。
ここまで紹介した原付EVはいずれも運転免許が必要ですが、16歳以上なら免許不要で乗れる「特定小型原動機付自転車」という選択肢もあります。四輪タイプなら停車時も安定し、荷物も積めるため、通勤・買い物の足として選ぶ方が増えています。カラフルな車体で選べるエレキャリーや、コンパクトで扱いやすいELEMOs4 REBORNもあわせてご覧ください。
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